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所信表明(平成30年第2回市議会定例会)

最終更新日:

 私は平成26年7月の市長就任以来、「住み続けたい 住んでみたいまち」を実現させるため、「安全で地球環境に優しいまち」、「確固とした基盤のうえに活力ある産業を育むまち」などの5つの指針を掲げ、各種施策を実施するとともに、課題のひとつひとつに向き合い、対策を講じてまいりました。

2期目の市政運営におきましても、市民一人ひとりのしあわせを実現するための、「これからも 住み続けたい 住んでみたいまち」づくりを更に推進するには、私が今回掲げている5つの公約である「仕事を生み出す」、「人を育てる」、「交流を生み出す」、「暮らしを守る」、「まちを育てる」の実現に向けた取組を進めるとともに、市民の皆さまの声をお聴きしながら、初心を忘れることなく、誠心誠意、南島原市長としての重責を全うしてまいります。

 

 

1 仕事を生み出す

南島原市が誕生して12年が経過しましたが、その間、本市の人口は9,000人以上減少しています。歯止めがきかない人口流出により過疎化と高齢化が急速に進む本市にとって、持続可能な地域社会の実現のためには、日々の経済活動や地域コミュニティが維持できる人口規模を、将来にわたって維持しなければなりません。市民の皆さまが「住み続ける」ためには、若者が安心して、長く働くことができる仕事を創り出す必要があります。

農業につきましては、圃場整備など、生産基盤の整備に積極的に取り組んでまいります。

製麺業につきましては、製造環境の改善による品質の向上と、市場での競争力強化のための支援を拡大します。併せて、メディア等を積極的に活用し、「島原手延そうめん」の認知度を向上させ、販路拡大に取り組んでまいります。さらに海外輸出事業については、イベントや商談会による取引先の拡大に努めており、今後も輸出促進に取り組んでまいります。

また、地場産業を守り、支援していくことが雇用を生み出す基礎であるため、農業・水産業においては各種施設・機械整備に対する支援、6次産業化の推進に加え、新たな作物の導入などに引き続き取り組んでまいります。商工業についても、新規創業に対する創業支援のほか、住宅店舗リフォーム補助等の継続実施や、新たに中小企業ステップアップ支援事業を実施することにより、市内企業の事業拡大やリニューアルを促し、雇用の確保と拡大につなげていきます。

一方、今後の時代の変化に対応し、自治体が生き残っていくためには、新たな手法による取組や、新産業の育成を進めていかなければなりません。そこで、地域新電力事業を核とした、地域支援と新産業の育成を図る地域商社を設立します。この地域商社が主体となり、IoTなど新しい技術を活用した新サービスの創出や生産性の効率化を促すとともに、IT関係イベントの開催やIT人材の育成を図ることで、市内産業の振興を図ります。さらに市内企業に対する企画支援や商品開発支援、ブランディングなどを行うことで、物産販売などの推進につなげます。

 

2 人を育てる

南島原市の将来を担う子どもたちは、市の最も重要な財産です。「住み続けたい」と思う南島原市の実現を図るためにも、子どもたちを市全体で育てていかなければなりません。

まず、子育て世代の経済的負担の軽減を図るため、現在実施している保育料の軽減措置である「すこやか子育て支援事業」の段階的な拡充を行い、将来の無償化に向けた取組を進めます。併せて、福祉医療費の助成を高校生まで拡充します。

また、子どもたちが体を使いながら安全に過ごすことができる全天候型のこども公園の整備を行います。このこども公園は、子育てに関する情報提供や相談などができる「子育て親子の交流拠点」、「子育てに関わるサークルの拠点」など、子育てに関する多様な機能を併せ持つ「こどもの国」として整備します。

教育については、これまでの4年間で普通教室へのエアコンの設置や洋式トイレの整備、ICT機器の導入など、子どもたちが学びやすい学校環境の整備に力を入れてまいりました。また、児童生徒にグローバル時代を生き抜く力を身につけさせるため、「英語検定」受験に対する費用の補助制度も創設いたしました。今後、長期的に一貫した英語教育の充実に力を入れるため、小中高連携や、英語指導助手(EAT)の増員等による「話せる英語」教育の推進を図ります。

現在、安全・安心で均一な学校給食を提供できるよう、学校給食センターの整備を進めているところであり、平成32年度の供用開始を目指し、事業実施を図っているところです。これに加え、子育てに係る経済的負担を軽減するため、学校給食費の支援制度を創設します。

また、人口減少が進展し、働き手が不足しているなか、女性や高齢者の力は欠くことができませんが、女性や高齢者が活躍できる機会・場所などの環境は、まだまだ整っているとは言いがたい状況です。このため、資格の取得等につながる研修会や講座の実施、女性人材バンク制度の活用、シルバー人材センターへの支援などにより、女性や高齢者が一層活躍していただける環境の整備を行います。

 

3 交流を生み出す

「住み続けたい 住んでみたいまち」の実現のためには、私たちが住むこの地域の価値を高め、多様な交流により活力を生み出していく必要があります。

世界遺産に登録されました原城跡を含む文化遺産の保存整備を行う一方で、観光等への活用により、地域活性化につなげていく必要があります。このため、文化遺産の価値を正しく伝えるためのガイダンス機能、観光案内機能、物産販売機能などを備えた「世界遺産関連施設」を整備します。

また、島原鉄道跡地については、散歩、ジョギング、通学、サイクリングなどに活用できるような歩行者・自転車道路として整備します。

口ノ津港再整備については、平成26年度から事業に着手し、平成30年4月にターミナルの起工式が執り行われたところです。定期航路と路線バスの接続拠点としてのターミナル機能はもちろんのこと、支所や資料館などの複合的な機能を併せ持つ本市の海の玄関口として、平成31年度中の供用開始を目指し、整備を進めます。

さらに、旧白木野小学校において芸術家を招いて地域間交流を深める「アートビレッジ・シラキノ事業」を展開します。また、「ビジネスプランコンテスト」や「チャレンジショップ」などの手法について調査、検討を進め、本市の条件に合ったアイデアや人材、しごとを誘致する仕組みを構築します。

 

4 暮らしを守る

これまで、このまちを支えてこられた高齢者の方々をはじめ、このまちに住み続けている全ての方々が安心して暮らし、「しあわせ」を感じられるよう、必要な支援策を構築します。

 まず、交通費助成事業のタクシー・バス利用券について、現在年間5,500人を超える方に利用いただいております。この制度を拡充し、高齢者の通院や買い物などの移動手段の利便性向上と、近年増加している高齢者の交通事故防止を図ります。併せて、高齢者の買い物や通院に対する支援の検討を進めます。

また、市民の健康を維持し、年々増加する医療費負担を抑制するため、温水プールやスポーツジムといった健康増進施設の整備について、廃校施設の利活用も含め、検討をはじめます。

地球温暖化を防止し、循環型社会の実現を図るため、畜産排出物を活用したバイオマス発電によるエネルギーの供給システムの構築や、公共施設への太陽光発電の設置により、エネルギーの地産地消を目指します。その他、パッションフルーツを活用した緑のカーテンの取組を、公共施設をはじめ、市内の各家庭や企業へも拡大し、クリーンなまちづくりを目指します。

排水対策については、豪雨の際、排水処理が間に合っていない地域があることから、島鉄跡地を活用した排水処理施設の整備を行います。

一方、移住対策としては、都市部での移住相談会への出展や、お試し民泊体験、移住交流ツアーなどの施策を充実させるとともに、遊休資産を活用した宅地分譲や、定住、移住のための市営住宅の整備、空き家の活用によるお試し住宅などの「住まい」と、移住サポートセンターによる職業紹介などの「しごと」、充実した「子育て環境」とを連動させた総合的な施策を展開することで、移住を促し、「住んでみたい」南島原市の実現につなげます。

 

5 まちを育てる

市民の皆さまや、南島原市に興味を持っていただいた人々に「住み続けたい 住んでみたい」と思ってもらうためには、生活の利便性を高める社会資本の整備は必要不可欠です。

地域高規格道路の深江町から口ノ津港の早期事業化、「島原道路」整備促進はもとより、南島原市の南部から諫早方面への交通の便を確保するための、愛野・小浜バイパスの整備についても、引き続き関係機関へ強く要望してまいります。その他国道・県道についても、県への働きかけ等により、必要なバスベイ、交差点改良、交差点銘板の設置、歩道整備等を進めます。

市道については、引き続き維持補修に取り組むとともに、計画的な整備を進めます。

現在埋め立てが進んでいる堂崎港埋立地については、埋立完了後は市の産業発展に寄与する生産、流通団地などとする方向で、今後長崎県と協力して利用計画の調整を進めます。

また、近年の情報化社会の進展に対応し、市民の皆さま並びに国内外の観光客の皆さまの利便性向上を図るため、現在一部の観光施設に導入しているWi-Fiを、その他の主要な公共施設などへも整備します。

人口減少やそうめん産業振興など、時代のニーズにおける諸課題に対して迅速かつ柔軟に対応するための専門部署を設置し、併せて市役所の組織再編を進めます。

 

6 行財政改革

これまで申し述べてきました5つの公約の実現のためには、将来の健全な財政運営と安定した財政基盤の構築が必要です。本市では合併時の財政状況に鑑み、これまで財政健全化に着実に取り組んできたところです。その結果、人件費の削減、地方債残高の減額、公債費の抑制及び基金残高の増額など、一定の効果をおさめております。

しかしながら、市税の大幅な増収はなく、財政構造の抜本的な改善が図られたとはいえず、地方交付税や国県補助金、市債などの財源に依存するという財政構造は変わらない状況です。

また、歳入額の約半分を占める地方交付税については、平成28年度から普通交付税合併算定替えの段階的縮減が始まっており、今後は限られた一般財源が減少していくことから、安定的かつ健全な財政基盤を確立し、維持していくことが重要になります。

今後も継続して既存事業の再編や廃止、職員の定員適正化を含めた行財政改革を進め、人口減少社会に対応した市政運営に取り組む所存でございます。

 

以上、私の所信の一端を申し述べさせていただきましたが、いずれも「これからも 住み続けたい 住んでみたいまち」の実現のために必要なものであり、「南島原市」の未来を切り拓いていく指針になるものと確信しております。

私は、今後、南島原市が飛躍していくための約束を果たすため、全力で取り組んでまいる所存でございます。どうか、議員の皆さま、そして市民の皆さま、絶大なるご支援とご協力をよろしくお願い申し上げます。

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