相談事例
高校時代の友人に「仕事の話をしよう」と誘われ、レストランで会った。友人から「会員になって男性用化粧品を販売したり、人に紹介して会員を増やしたりすると、最低でも毎月5万円の収入になる。副業にピッタリだ。会員を増やすほど自分のランクが上がり、月30万円もらっている人もいる」と言われた。給料が安く、副業を探していたので興味を持った。そこに友人の先輩という人が来て、「会員になった人はみんな儲かっている。難しいことはない」と言われ、その気になって応じた。
書類にサインした後で、友人から「最初に化粧品50万円を買わないといけないが、分割払いができるし、すぐ元も取れる。借金してでも買う人がいるから大丈夫」と言われた。
一晩たって落ち着いて考えると、化粧品を販売したり、会員に誘ったりする自信がなくなった。儲かる仕組みもまったく分からないし、50万円の支払いも不安になった。(30代男性)
消費生活センターからのアドバイス
連鎖販売取引(マルチ商法、ネットワークビジネス、MLMとも言う)は、販売組織の会員になって商品やサービスを契約し、友人などを誘って組織に加入させ、ピラミッド式に拡大させていく商法です。
その複雑さ、トラブルの多さから、特定商取引法により規制されています。契約後も消費者がじっくり検討できるよう、無条件で契約解除できるクーリング・オフ期間は、契約書面を受け取った日(※1)から20日間あり、訪問販売や電話勧誘販売(いずれも8日間)に比べ長く設けられています。中途解約もできます。
検討せず安易に応じると、金銭的被害にあうだけでなく、友人を誘うことで人間関係を悪化させることにつながりかねません。簡単に収入になるような話はなく、仕組みの分からない設け話には応じないようにしましょう。困ったときは消費生活センターにご相談ください。
※1:連鎖販売取引の場合は、契約書面を受け取った日、または再販売する商品を受け取った日のどちらか遅い方の日から20日間