南島原市では、株式会社セラク(進行管理役)・南島原市IoT推進コンソーシアム・長崎県立島原農業高等学校・島原雲仙農業協同組合・長崎県島原振興局・南島原スマート農業研究会(アスパラガス栽培農家3名)とともに、「南島原市スマート農業推進コンソーシアム」を締結のうえ、2020年4月から2022年3月の2年間にかけて、農林水産省「スマート農業実証プロジェクト」に携わり、アスパラガス栽培へのスマート農業技術の活用に取り組んでまいりました。その成果物として、「スマート農業を用いたアスパラガス栽培マニュアル」が完成しましたので、公開いたします。
1.スマート農業実証プロジェクトの取り組み内容
農林水産省「スマート農業実証プロジェクト」は、スマート農業技術を導入することによる農業経営への効果を明らかにすることを目的として行われたものです。
本コンソーシアムのプロジェクトにおいては、環境モニタリングや定点カメラなどを用いることで、アスパラガスの栽培にとって重要な環境管理、及び、水管理の可視化と体系化、及び、AIを用いた選別を補助する機器、アシストスーツによる労働負荷の軽減や作業時間の短縮に取り組み、その効果を実証農家の経営データを用いて明らかにいたしました。また、島原農業高等学校の生徒が本プロジェクトを通じて作成した栽培マニュアルを用いて、スマート農業を用いたアスパラガス栽培に取り組みました。こうした取り組みを通じて、将来の担い手の育成にも貢献しています。

定期的な栽培管理技術会議の写真

立茎に伴う現地検討会の写真
2.スマート農業を用いたアスパラガス栽培マニュアルについて
本プロジェクトでは、スマート農業技術によって収集されたデータを用いて、栽培管理技術研究活動に取り組んできており、「スマート農業を用いたアスパラガス栽培マニュアル」は、この活動の中で議論した成果を取りまとめたものになります。特に新規就農者の方がスマート農業技術を用いることで早期に安定的な収穫を実現することを主な目的としています。アスパラガスの栽培において重要であるとされている環境管理、水管理を定量的に評価し、その値を適正化するために必要な方法についてまとめました。なお、本マニュアルの作成にあたり、九州大学大学院、A-noker株式会社、地元篤農家から助言をいただきました。
マニュアル作製の前提条件
・品種 ウェルカム
・株年数 2年目以降
・地域 長崎県南島原市
・モニタリング機器 みどりクラウド(株式会社セラク)
マニュアル概要
- ・このマニュアルについて
- ・スマート農業を活用する準備
- ・アスパラガス年間栽培カレンダーと環境・水管理
- ・アスパラガスにおける環境制御指標
- ・夏季の栽培管理
- ・秋季の栽培管理
- ・春芽収穫時期の栽培管理
- ・付録 もっと詳しく理解するために
- ・付録 実証事業の取り組み成果
ご参考
本実証プロジェクトは、株式会社セラクがプロジェクトの進行管理を務めたことで実現しています。
なお、株式会社セラクのwebページに発表会の動画などの情報もアップされています。
https://info.midori-cloud.net/midoriblog/20220331_1476/
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